2011年10月12日水曜日

ひとりぼっちではない

2011,3,11東日本大震災から7ヶ月。普通に寝起きし、何のためらいも無く飯を食らい、普通の生活がそこにあるような現実なのか錯覚なのかわからない日々を過ごす毎日。先日、福島の本宮市にあるKファームというところでカホンづくりワークショップを開催させていただいた時の出来事。最寄りの駅に降り、現地Kファームまでタクシーで行こうと、WSの重い荷物をトランクに入れ、車中に乗り込んだ瞬間、50代ぐらいのおばちゃんが「どこからきたのですか?」と愛嬌たっぷりの東北なまりできく。「神戸です」と答えるやいなや高笑いして「わざわざ放射線浴びに関西からきたのですか?」と笑い飛ばす。

僕らも、気をつかいながらもざっくばらんにおばちゃんとの今の福島について明るく会話する。
どうしょうもない現状のなかで、ふさぎ込んでもいられないし、笑い飛ばすしかないわさ。と。
少し安心もしたが、複雑な重い心境にもなった。
ただ、震災直後よりは少しは明るくなってきているのかなと思ったとき、忘れかけていたことを思い出した。

阪神淡路大震災。僕は、そこで被災したが身の危険にさらされる事はなかった。
だが当然、家族を無くしひとりぼっちになった多くのひとがいた。
家族を失い、ひとりぼっちになった初老の八百屋の店主が、青空市場をひらいていた。
そのおやじは、アナウンサーのインタビューを受け、冗談をかましながら負けへんで!と笑い飛ばす。
震災から半年が過ぎ、町も元気づいてきました。とアナウンサーはコメントする。
ただ現実は、そうも簡単ではない。
その数ヶ月後に、そのおやじが孤独死をとげていたことを僕らは知る。

人間、ひとりでは生きていけない。
だけど、自分はひとりぼっちだと感じてしまうだけでも生きてはいけない。
たったひとりぼっちになったって、本当にひとりなんかではないということを
僕らは、伝える伝道師になりたい。

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