2013年2月8日金曜日

つくるってことはつながるってことかい

僕は地域とつながったり、人と人をつなげたりすることに、とても意義を感じてたり好きなだけで、地域おこしをしようとかムラビジネスをしようとかそんな大それた気持ちは更々思ってないし、そもそも「ちいきをおこさないといけないのか?」と感じることもしばしばある。

丹波の中野なんかはいい例で、ムラには何代も前から脈々と築いてきた文化があり、高齢化とは言ったって、それはそれでなんとかやっているわけで問題ない。
ただ、子供や孫の代のことを考えると、このままでいいのかという思いはやっぱりあって、少しでもムラが賑わって、若い人達が戻ってきたり引っ越してきたりすればいいなあ、という思いもあるのも事実。

先日、八百光というファンキーな屋号(実家が八百屋)を名乗る垣内さんという建築家のかたの話を聞く機会があった。彼は大学を卒業した後、アトリエ系の設計事務所に数年勤務し、独立するも引きこもりのように毎日悶々としていたという。
きっかけをつかんだのは、幼馴染みの友人が自宅の町家を改装したいので設計してほしいとの依頼からだそう。そもそもその友人は、予算が30万円しかないと言い放ち、それならば自分で施工しろ!というところからのスタートだったのだそう。

いわゆるDIYなんだけど、日曜大工とかリノベーションとかコジャレタ感じのセルフビルドではなく、基礎はハツルわ、アルミの玄関ドアは、廃材業者に売りに行くわのガッツリ系。その友人が8ヶ月かけて改装していくにつれ、全くの素人が「職人」になっていく様は本当に痛快だった。
その過程で、近所の人や親戚や友人など、色々な人達の関わりや手助けによって完成していくのだけど、これって、よくよく考えてみると昔は家を建てるとか手を入れるってことはこんな感じだったんだろうなと思わせてくれるし、「りのべーしょん」なんかよりずっとカッコええ。

そしてその名残のある60代、70代世代の特に田舎のおとっつあんは、大工仕事ぐらいできて当たり前の強者がごろごろいるんだよな。そう考えると、これって貴重な財産で眠らせてるわけにはいかんよな、と。

地域おこしなんて必要あるんか?という問いに、僕は未だに答えを持ってはいなけど、家を建てるとか何かをつくるとかいう作業は、1人でどうにもなるもんでもなく、色々なひとが関わりその過程で生まれる物語みたいなものが大事で、そういうのがその地域を元気ににぎやかにしていくんだろうなと思った。

そういう意味で、いつも何かをつくり続けてたいなと思う今日この頃。
つくるってことはつながるってこと。かい?

手づくりカホンプロジェクト