福岡伸一氏の著作によると、人間の遺伝子の中には「自由であれ」という命令が含まれているという。どうやら、人間という生き物は子孫を残すためだけに生きているわけではないらしい。遺伝子が利己的に子孫を残すために情報を送り込むのと同時に、子孫を残さないという自由意志をも人間に与えている。そのバランスであったり動的な平衡を保ちながら、人類という全体の存続を持続可能なものにしているともいえる。
人間には、もうひとつ。出来事の意味を考える、という才能を与えられている。出来事の事実の捉え方によって全く別の反応をできるという才能だ。遺伝子が「自由であれ」、と命令するなかには「滅ぶも生きるもお前次第だよ」という遺伝子の残酷なメッセージが含まれているようにも感じる。
俺ひとりには何もできない。俺には関係ない。と考えるか、未来から預かっているこの地球を未来のわが子たちにどう引き継ぐか。と考えるか。どちらも自由だ。ただ、「僕らはいったい何のために生きてどのように死んでいくのだろう」と、出来事の意味を考えたとき、僕は自分自身に対し命令したい。
「自由であれ。」 そこで初めて何者にも左右されない個が生まれる。僕はそう願いたい。
分断された地域、操作された消費行動、意味のない会議、愛のない人間関係。誰も望んではいないのにそれらのどれもが当たり前のように存在し、しかもとても不自由だ。自ら地域を興し、自ら選択し、上下関係なく意見を交わし、隣人・家族を愛し尊敬する。そんな自由が僕らに与えられていることに目を覚ましたい。
岡本ハッピーバトンでは色々な活動や表現が自発的にかつ同時多発的に行われ、しかもそれらが細かな糸で結び付き合っている。彼らが1ヶ月にわたってばらまくハッピーがより自由であることの大切さを教えてくれるし、誰にでも自由意志によるハッピーを享受できると教えてくれる。そして、人から享受したハッピーを子孫に受け継がせていくという自由も僕たちは持っているのだ、と確信する。
ありがとう&ハッピーバトン。
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